リノベーションプランナーの遠藤です。新年明けましておめでとうございます。
さて、今回の記事では「漆喰」にフィーチャー。
前回の記事で書かせて頂いた「珪藻土」同様、仕上げの左官材として夢工房ではよく使っている素材です。
西洋絵画のフレスコ画って、漆喰に絵の具を乗せていく技法なんですね。
記事を書いている時に設計スタッフから聞いて初めて知りました笑
そんなヨーロッパにゆかりの深い「漆喰」について今回は珪藻土との違いや、特徴など施工事例を踏まえつつ書かせて頂きますので、ご参考になりましたら幸いです。
目次
漆喰の性能と特徴。珪藻土との違いは?
施工事例をもっと詳しく見る 「こだわりがいっぱい」
「抗菌作用」のある漆喰は今の時代の家づくりにマッチする素材
漆喰が持つ性能としては、
✓調湿効果
✓自浄作用
✓抗菌作用
✓遮熱・蓄熱性能
の4つが主に挙げられます。
「調湿効果」と「自浄作用」は珪藻土と共通するもので、自然素材ならではの呼吸性によって得られる効果です。
また、静電気を帯びないのでホコリや汚れの吸着を防げるのも珪藻土と共通する特質です。
特徴的なのは「抗菌作用」。
漆喰は石灰石を原料としており、高いアルカリ性を持っています。
アルカリ性と呼吸性によって、空気中のカビやウイルスを分解・不活化してくれるので
衛生的・健康的な住環境をつくることができます。
ウイルスによる不安が大きい今の時代、大きな役割を果たしてくれる注目素材です。
「遮熱・蓄熱性能」も漆喰ならではの性能。
外壁に漆喰を使用すると高い遮熱性能を発揮し、
遮熱するだけでなく熱もため込んでくれるので、夏は涼しく冬は暖かいエコハウスに。
白さと硬さが漆喰のチャームポイント
見た目や質感の特徴はその「白さ」と「硬さ」にあります。
珪藻土がややベージュがかったアイボリー色なのに対して、漆喰は「真っ白」。
お部屋全体が光を反射してパッと明るくなります。
また、漆喰には時間が経つにつれて固まっていく力があります。
珪藻土は漆喰に比べると柔らかく、粉が少しぽろぽろと落ちてきたり洋服に付いたりというようなこともあるのですが、漆喰は施工後段々と硬くなり、また耐火性もあるので外壁としても使うことができます。
耐久性やメンテナンス方法・注意ポイントは珪藻土と同様ですので
珪藻土の特徴も詳しく知りたいという方は、こちらの前回の記事をご参照ください↓
スペイン漆喰とスイス漆喰
夢工房で使わせて頂いている漆喰は、「スイス漆喰」と「スペイン漆喰」の2種類です。
どちらも同じ漆喰ですが、その工程や特質にはそれぞれ特徴があります。
スイス漆喰「カルクウォール」
※カルクウォールHPより引用
カルクウォールはスイスで300年以上変わらない製法で作られる天然100%の本漆喰。
安くつくるために不純物も含まれた石灰石が原料に使われている漆喰も多いのですが、
カルクウォールの原料はカルシウム純98%の高品質な「ピュアライム」と呼ばれる石灰石。
糊は使わず石灰石・水・ブナセルロース・亜麻仁油等少ない材料で作られています。
そして、カルクウォールのもう一つの特徴はその「真っ白さ」。
透き通った青白さがあります。
その綺麗な白さを実現できるのも、不純物の少なさゆえ漆喰の表面が光を乱反射するから。
シンプルって素晴らしい。
スペイン漆喰「エスタコウォール」
※エスタコウォールHPより引用
エスタコウォールはスペインのマカエルという小さな町で採掘される石灰石が原料です。
高温多湿な日本の気候や住宅事情に適応するよう研究・開発された漆喰。
風合いとしてはスイス漆喰のエスタコウォールが青白いのに対して
エスタコウォールはややアイボリーがかった白。
気になるお値段はというと、
スペイン漆喰は前回の記事でご紹介した珪藻土MPパウダーとほぼ同じコストで、ビニールクロスの2~3倍程度です。
スイス漆喰はスペイン漆喰・珪藻土よりも高価で
スペイン漆喰・珪藻土の1.5倍程度。
性能の似通った2種類の漆喰ですが
そのバックグラウンドや色味からお好きな方を選んで頂ければと思います。
夢工房のショールームでも使用しているので、実物をご覧になりたい方はぜひ漆喰の白さや手触りを体感してみてくださいね。
漆喰を取り入れた施工事例をピックアップ!
最後に、漆喰をつかった施工事例をご紹介。
外にも中にも、色んなテイストにマッチする漆喰。おすすめです。
①スイス漆喰の外壁
施工事例をもっと詳しく見る 「白く美しく」
外壁をスイス漆喰に塗り替えた実例。
サイディングやペンキでは生まれないナチュラルな質感が素敵です。
②店舗やオフィスに取り入れて味を出す
施工事例をもっと詳しく見る 「オーダーメイドの家具屋さん」
オフィスや店舗に漆喰を使えば、綺麗な空気で仕事も捗ります。
そこを訪れる人もほっとリラックスできる空間に。
(夢工房のオフィスは珪藻土や漆喰を一部取り入れていますが、無機質な壁紙とは違った塗り壁ならではの風合いがあり気に入っています。ついついたまに触ってしまいます笑 ショールームには漆喰も珪藻土も使っているので、気になる方はぜひ見に来てください!)
③古民家にもよく合います
施工事例をもっと詳しく見る 「家を育む」
「漆喰」と聞くとヨーロッパ的なイメージが想像されますが、日本的なインテリアにも相性はぴったり。
畳や杉のフローリングなどと組み合わせるのも素敵なんです。
まとめ:今の時代だからこそ取り入れたい漆喰
施工事例をもっと詳しく見る 「無垢と漆喰」
抗菌作用があり、土に還るエコロジーな漆喰はまさに今の時代にぴったり。
もっともっと注目されてほしい素材です。
住む人も健やかに、地球にもやさしい持続可能な素材なので
材料にこだわってお住まいづくりをされたい方にはぜひおすすめしたいです。
漆喰の魅力が少しでもお伝えできていたら嬉しいです…!
お読みいただきありがとうございました。
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