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リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事内容について

リノベーションコラム「リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事内容について」

こんにちは。お久しぶりです!施工管理の早坂です。

皆様のご自宅のお風呂は1階にありますか。それとも2階にありますでしょうか。

多くの戸建て住宅では、1階の北側に洗面やお風呂などの水回りを設けられていることが多いかと思います。
しかしながら最近では、あえてお風呂を2階に設ける事例も散見されます。

今回は「浴室・お風呂の位置について、また1階から2階に移動するリフォーム工事」について書いていきたいと思います。

浴室・お風呂の位置は1階がいい? それとも2階がいい? 戸建て住宅の浴室・洗濯・洗面の位置について

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真1

1階お風呂の家にも、2階お風呂の家にも、それぞれに長所と短所があり、どれを選ぶかはご家族構成やライフスタイルごとに違うかと思います。
お家づくりの際、間取りの計画はとても重要ですが、特に水回りを(お風呂と同時に脱衣所・洗濯機置き場・洗面スペースなども含め)どこに設けるかは、その後の生活を大きく左右します。
そこで今回は、戸建て住宅の浴室・お風呂の位置について、

・1階に浴室・お風呂を設けた場合のメリット・デメリット
・2階に浴室・お風呂を設けた場合のメリット・デメリット
・リフォームで浴室・お風呂を1階から2階に移動する工事の紹介

についてご紹介したいと思います。
ぜひ、お家づくりの際の水回り計画の参考にしてみてください。

「1階」に浴室・お風呂を設けた場合の長所・短所

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真2

“1階浴室・お風呂”の良いところ

■ 漏水が発生した場合に被害が少なくて済む
万が一漏水が発生した場合、お風呂が1階にあれば、階下の居室に被害が行くことはありません。
しかしながら、1階のお風呂で漏水が発生した場合、被害として実感できるまでに時間がかかる場合があり、対処が遅れて修繕が大変になってしまうというリスクもあります。
■ 配管のルートが短く施工費が安く済む
基本的にお風呂には「排水管」「給水管」「給湯管」「追炊き管」の4種類の配管が必要となってきます。(給排水管の種類について詳しくはこちらの記事もご覧ください)
一戸建ての場合、これらの設備配管は道路から地面を通して持って来ているため、1階に水回りがあった方が配管ルートが短く済み、施工費も安く済ませることができます。
■ 階段を使わずにお風呂へ行くことができる
住む人の中に高齢の方がいらっしゃる場合や、もしくは自身が高齢になった場合のことを考えると、お風呂は1階にないと大変かと思います。
階段の上り下りが大変な場合は1階にお風呂を設置するほうが良いですね。

“1階浴室・お風呂”のイマイチなところ

■ 洗濯物の家事動線が長くなる
基本的に脱衣スペースは浴室の隣に設けるため、1階にお風呂がある場合、必然的に脱衣・洗濯・洗面スペースも1階に計画することになります。
そして防犯性の観点からなるべく1階で洗濯物を干すことは避けたいという方が多いかと思います。
その場合、洗濯物を2階で干すことになり、濡れて重たくなった洗濯物を階段で運ぶ必要が出てきてしまいます。
しかしながら、最近ではガス乾燥機や浴室乾燥機、乾燥機能付洗濯機なども普及してきているため、洗濯物干しの心配は少なくなってきているのも事実です。
■ 外と近いので防犯性が心配
1階にお風呂を設置した場合、必然的に道路や他のお家の境界とお風呂が近くなります。
そのため入浴後に窓を開けっぱなしにして通気させたり、入浴中に窓を開けたりということがしにくくなってきてしまいます。
また、入浴時間以外に人の目が行きにくい場所でもあるため、防犯性の観点からも少し弱い点となります。

「2階」に浴室・お風呂を設けた場合の長所・短所

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真3

“2階浴室・お風呂”の良いところ

■ 1階のリビング等のスペースを広くとることができる
お風呂を2階に設けた場合、お風呂だけでなく脱衣・洗濯・洗面スペースも2階に上げることになります。
そのため、想像以上に大きなスペースを1階の居室空間に確保することができるようになります。
例えば、1階お風呂の計画でLDKの広さが30㎡ほどだったとして、もし2階にお風呂(と脱衣・洗濯・洗面スペース)を上げると、約40㎡ほどまで空間を広くとることができるようになります。
特に最近ではLDKでの時間を充実させる「リビ充」という考え方も広まってきているため、居室よりもLDKにスペースを多く取るという計画も増えてきています。
■ 洗濯の家事動線が短くなる
上記の1階お風呂計画のイマイチな点としても取り上げたのですが、2階にお風呂を設置した場合、脱衣→洗濯→物干し→取り込み→しまうまでの家事動線を全て2階の中で納めることができます。
そのため、洗濯物というプライベートな部分を来客時に見えにくくする効果もあります。
■ 浴室・お風呂の風通しが良くなる
お風呂や洗面等の水回りは北側に設けることが多いのですが、1階にお風呂を設けた場合、窓を開け放しにくいため空気の流れが滞りやすく、しっかりと換気を心掛けないとカビが発生しやすい状態になります。
それに変わって、2階にお風呂を設けた場合は、滞りがちな空気の流れを循環しやすく1階よりも採光を期待することができます。

“2階浴室・お風呂”のイマイチなところ

■ 給排水のスペース確保と音の対策が必要
2階にお風呂を設ける場合、その給排水管をどこに計画するかが問題になります。
通常、住宅のお風呂で使う排水管は60mm程の直径があります。
また、直径15~25mm程の「給水管」「給湯管」「追炊き管」を含め計4本の配管スペースを確保する必要があり、合計で最低でも直径150mm程の配管スペースが必要です。

居室の壁内などに配管を通した場合、防音の施工をしないと2階で誰かがお風呂に入っているときに排水の音が気になってしまう場合があります。
そのため、2階お風呂計画をする多くのお家では、配管スペースに防音材を巻いたり、配管スペースを音の気にならないトイレに持っていくなどの工夫をしています。

■ 配管が長くなるため初期費用がかかる
2階に浴室・お風呂を計画する場合、設備配管を2階まで上げるために配管材料を多く使う必要があります。
そのため、配管工事の初期費用は1階にお風呂を設けるよりも2階に上げる場合のほうが高くなります。

リノベ・リフォームで浴室・お風呂を1階から2階に移動する工事の紹介

先日、戸建ての改修工事の中で1階のお風呂を2階に移動した工事がありましたので、こちらの事例をご紹介させていただきます。

このお家は既存状態では1階にお風呂があり、壁がタイル貼りでできた在来浴室でした。

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真4

解体後に確認したところ、床モルタルのクラックから漏水があったらしく基礎の木材と柱の一部が腐ってしまっていた状態でした。

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真5

お施主様のご希望で、新規のお風呂はユニットバスにし、浴室の直上の2階(もともと寝室だった部分)に移動することとなりました。

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子6

そしてお風呂があったところには広めのレストルームスペースを作らせていただきました。

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真7

新しいレストルームには、洗面台を設けることができ、開放的なトイレを実現しました。

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真8

2階にお風呂を設ける場合、お風呂の真下の部分は天井高が低くなってしまうと言われる場合があります。
これは、お風呂の床下に200mmから400mm程の配管スペースが必要となってくるためです。
水を貯めると2、300kg以上にもなる浴槽を支える骨組みと、排水管のにおいを抑えるトラップと言う部材を設置するため、床下にこれほどのスペースが必要となります。

しかしながら、この床下スペースは計画次第で1階天井裏~2階床下で充分に確保することができる部分であります。
特に2階お風呂の下1階部分に、トイレや収納のスペースに充てると、お風呂床下のスペース問題は解決できる場合がほとんどです。

まとめ。浴室・お風呂の位置は家事動線や今後のライフスタイルに合っているかが大事

リフォームで1階から2階に浴室・お風呂を移動できる?水回りの位置それぞれのメリット・デメリットと工事の様子 写真9

浴室・お風呂の1階2階それぞれの長所・短所のご紹介と、さらに1階から2階に移動するリフォーム工事についてご紹介させていただきました。
お伝えしてきましたとおり、1階にお風呂を設置する場合、2階にお風呂を設置する場合、どちらにも長所・短所があり、それぞれのメリット・デメリットはトレードオフの関係になっています。
水周りの計画については、毎日の生活に大きく影響を与える部分でもあります。
お施主様のライフスタイル、家事の仕方、ご家族みんなが使いやすいかどうかなど、相応しい動線を計画することがとても重要です。
夢工房では、快適な生活のための水回り計画についてもしっかりとヒアリング・ご提案させていただきます。

そもそも自分たちのライフスタイルがどのような水回り計画にすれば快適に過ごせるのか分からない、という方でもぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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