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戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター

リノベーションガイド・基礎知識「戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター」

みなさんこんにちは。リノベーションアドバイザーの芝です。

前回は「耐力壁は動かせる」という理論編をお届けしましたが、今回はその実践編です。
「他の工務店さんでは断られてしまったのですが……」
そんな切実なご相談から始まった、あるお宅のプロジェクト。構造の制約をどのように克服し、理想の大空間を叶えたのか。実際の工事の裏側を、余すことなく公開します。

耐力壁の移動①:耐力壁の場所と柱梁の関係を知る

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真1

リフォーム前の間取り。緑が耐力壁。赤が取りたい壁と柱です。

こちらは実際に弊社で施工させて頂いたお客様の、リフォーム前の間取りです。
ご相談の内容は、

「和室を隣のリビングと一体化させて広々としたリビングダイニングを作りたいけれど、部屋を隔てる壁に耐力壁があって、他の工務店さんでは撤去することは出来ないと断られてしまった。
ただ、リフォームをする上でここは絶対に外せない条件なので、諦めきれない…どうしてもここの壁は取れないものでしょうか?」

といったものでした。

まず、耐力壁を移動させる上で重要なのが、家の中のどこにどういう耐力壁があり、どう家を支えているのかを知ることです。こちらは主にご自宅を建てた際の図面(竣工図)を見て探っていきます。

構造用合板か、筋交いか。図面から探る移設の可能性

このお宅は緑のマーカーで塗ってある壁が構造用合板の耐力壁であることが図面に記されていました。
ここがもし筋交い壁であれば、前回の記事でもお話した通り、壁を塞ぐ石膏ボードを取ってしまうだけでも視界が広がり一体感が出るのですが、構造用合板壁となるとボードの部分で強度を持たせているため、視界を開けさせるには耐力壁自体をどこか別の場所へ移す必要があります。

そういった訳で、後日ご提案したプランがこちらです。

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真2

ご計画時の間取り。結果的に耐力壁は計画通りの位置へ、柱も赤く塗った2本が取れました。

上の耐力壁は押入だった所の壁へ、下の耐力壁は外壁側へズラす形で納めます。
端に壁が出っ張る形になってしまうものの、既存と比べると大分見通しもよく、行き来もしやすそうなプランになりました。

ただ、こちらはあくまで仮のプラン図。
前回、耐力壁を移す上での注意点として下に基礎が打たれている必要があるというお話をしましたね。
実際にはご自宅の図面に基礎の位置を記した図面があればよいのですが、そういった細かな図面が無いお宅も多く、そうなると解体してみるまでどこに基礎があるか分からないという状況になってしまいます。
今回の案件でも、上の耐力壁を移した先に基礎が打たれているのかどうか、解体時に確認してみて打たれていなければ新しく基礎を追加するか、別の場所への移動を再検討するということをご了承の上でプランを進めさせていただきました。
さらに、残った3本の柱に関しても上を通る梁の太さや位置の分かるものが無かったため、こちらも解体時に確認して取れそうなものは取りましょうということで進めていきます。

耐力壁の移動②:解体して判明した「基礎」の状態と社内検査

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真3

現場での検討の様子。右から設計担当、施工担当、施工部リーダー、大工さん。お手伝いで掃除に来てくれた施工部も奥で見守っています

不確定要素をクリアにする、社内専門スタッフによる現場診断

そんなこんなで耐力壁については不確定要素の多い中、通常のリノベーションと同じく仕様や他の部分の間取りなどを決め、いよいよ社内の叡智を引っ張ってきての解体後検査です。
ベテランの設計士と施工管理、大工さんとで現状を見ながら慎重に検討していきます。

ちなみに、今回は耐力壁を移動したかった場所に基礎が打ってありました!よかった~!!
ということで社内の叡智達は早々にどの柱が抜けるか、梁をどれだけふかす必要があるかの相談に移っていきました笑

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真4

反対から見た様子。壁を取るだけでも大分広く感じます

基本的に夢工房は案件ごとに営業・設計・施工それぞれの担当者が決まっていますが、今回のように自分以外の人の手や知恵を借りたいという時にはみんな快く助っ人に来てくれたり、相談に乗ってくれたりするので本当に助かっています。
自分の担当するお客様ではなくても、夢工房に来られた方々によりよい住まいを提供したいという想いのスタッフが多い故の社風です^^


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耐力壁の移動(番外編):柱を抜くための「梁補強(ふかし)」

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真 耐力壁

こちらは梁がふかされた様子。柱を取る時は一度つっぱり金具で梁を支える→柱を抜く→梁をふかす→金具を取って完成という手順になります

さて、さっきからサラっと話に入り込んでいる柱の撤去ですが、壁を取るという事は大概「せっかくなので柱も取りたい!」となるので、耐力壁を移動させる場合には柱と梁の検討もセットになることが多いです。

大空間を支える「梁」の強化。つっぱり金具と金物固定の工程

2階の重さを支えている柱を抜くときは、代わりに「梁(はり)」をしっかり強化してあげます。

もともとの梁だけでは足りない場合、新しい木材を添えて太くする「梁成(はりせい)を大きくする」という作業が必要になります。

工事中は写真のように「つっぱり金具」で2階を支えながら、慎重に柱を抜いていきます。
その後にボルトや金物で新しい梁をがっちり一体化させることで、柱がなくても以前と同じ、あるいはそれ以上の強さを持たせています。

「柱を抜いて大丈夫かな?」と不安に思うかもしれませんが、こうした見えない部分の補強こそが、リノベで一番大切なポイント。
安全をしっかり確認しながら進めているので、安心してくださいね!

耐力壁の移動③:耐力壁の新設

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真 耐力壁2

新しい構造用合板壁

無事に既存の耐力壁と柱を撤去したところで、次は新しく耐力壁を作っていきます。
構造用合板壁は得たい強度によって合板材だけでなくビスの品番や打つ間隔、数などが細かく決められています。
構造用合板を貼ればOK!という訳にはいかないんですね…

耐力壁の移動④:仕上げ

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真5

石膏ボードが貼られた様子

耐力壁が出来ると後は仕上げの工事に入ります。
今回は漆喰塗りの壁にするため、塗り壁の下地として構造用合板の上から石膏ボードを貼っていきました。
石膏ボードはどこにでもよく使われていてマンションにも戸建てにも馴染み深い建材ですが、実は耐火や断熱、防音にも一役買う、意外とマルチな建材なのです。まあ、その辺のお話はまた追々書くとして…
そんな石膏ボードは耐力壁に上貼りすると耐力壁の強度がちょっと上がるので
微妙な強度の調整などにも使われることがあります。

耐力壁の移動⑤:完成!壁の移動前と移動後のビフォーアフター

戸建てリノベーション・リフォームの「耐力壁」は移動できる?②実際の補強工事と劇的ビフォーアフター 写真6

ダイニングからの眺め。壁が無くなって一気に大空間になりました

と、そんなこんなで、漆喰を塗り、最後に養生を剥がして竣工です。
今回床はオーク材にチークをイメージした深い赤茶色の塗装を施しています。オイル塗装なので木目はそのままに
クリア塗装とはまた違って、落ち着いたアンティークな雰囲気になりますよね。

戸建てリノベーション・リフォームのビフォーアフター1

戸建てリノベーション・リフォームのビフォーアフター2

リフォーム前と後。諸事情(解体前の写真を撮り忘れました…)によりbefore写真はCGでお送りします

戸建てリノベーション・リフォームのビフォーアフター3

キッチンからの眺め。キッチンの吊戸を取ってカウンター上の開口を広げたことで更に開放感がUP!

まとめ|耐力壁の移動で、他社で断られた「理想の間取り」でもしっかり形になる

耐力壁の移動は、確かに簡単ではありません。
図面を読み解く力、解体後の現場で判断する経験、そして確かな補強技術。
そのすべてが揃って初めて、理想の間取りが手に入ります。

「この壁さえなければ……」と悩んでいる時間はもったいないです。
その壁、私たちが動かせるかもしれません。ぜひ一度、その夢を聞かせてください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております!


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