

はじめまして。夢工房リノベーションアドバイザーの赤坂と申します。
今回はマンション購入を検討する上で重要な、ランニング費用「管理費・修繕積立金」について解説いたします。
ここ最近の物価高にも伴い「管理費の値上げ…」、「修繕積立金の値上げ…」、が相次いでいるというニュースも良く出ています。
マンションの購入検討時の判断材料として、そして購入後に思わぬ事態に陥らないために、知っておくべきポイントをご紹介いたします。
目次
マンションの管理費・修繕積立費とは?
マンションを購入すると発生する、月々のランニング費用には以下のようなものがあります。
- 銀行へのローンの支払い
- 固定資産税、都市計画税
- 各種保険料
- 管理費
- 修繕積立費
- 組合費
- インターネット使用料
- 駐車場代
etc …
この中でも、”マンションの管理組合に対して支払うもの”が、管理費・修繕積立金になります。
そのうち管理費は、マンション建物を管理する管理会社への管理委託料にあてられます。修繕積立金として積見立てられたお金は、定期的に行われる大規模修繕工事や小さい修繕工事の度に取り崩されます。
マンションを購入する際の修繕積立金の考え方
マンション購入に際して、この管理費・修繕積立金について考えておくべきことが、大きく3つあります。
②必ずしも安いから良いというものではないこと。
③売買価格に置き換えて考えること。
①管理費・修繕積立金どちらも値上げされる可能性がある
管理費・修繕積立金は、マンションの管理会社の状況や、管理組合の資産状況によって変化するものです。
実際、首都圏の新築マンションの管理費・修繕積立金は下記資料のように徐々に値上げの傾向にあります。
※出典:「新築・中古マンションのランニング・コストに関する調査レポート(2024年)」を発表より
また売買価格(坪単価)に関しても、顕著に上昇しています。
売買価格とともに、購入後のランニングコストも上昇していて、負担は増える一方だと言えるでしょう。
管理費・修繕積立金の突然の値上げに驚かないために、マンションの管理会社が発行している「重要事項調査報告書」や、「総会や理事会の議事録」を見ることが必要です。
いずれも管理組合の資産状況(積立金総額、負債額、借入状況)や、建物の長期修繕計画があるかどうかが分かります。
- 議事録で修繕積立金値上げについて検討されている
- 直近で大規模修繕工事を行ったわけでもないのに、積立金額が少ない
- 次回の大規模修繕予定に対して積立金が確保されていない
こういった場合値上げが実施される可能性が高いため、注意が必要です。
②「安いから良い」というわけではない
先述した通り、修繕積立金は建物の修繕工事にあてられるもので、それを「住人みんなで少しずつ出そう!」というものになります。
そのため、マンション内の戸数が少ないと1戸あたりの負担する修繕積立金が高くなりやすいです。
それにも関わらず現状の修繕積立金が安い場合は、適正な金額ではなく、近い将来値上げする可能性が高いです。
他にも、大規模修繕工事に必要なお金が集まらず、工事直前になって”高額な一時金”を各住戸に徴収する事で、費用を確保しようという動きが出る可能性もあります。
この通り管理費や修繕積立金の額には適正額というものが重要になるのです。
検討中のマンションの修繕積立費は適正額なのか、この機会にしっかりチェックしておきしょう。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、下記のような修繕積立金の目安額の情報を出しています。
「階数」や「延床面積」が表記されているのは、“マンションの規模”が大きく影響するという事になります。
「事例の3分の2が包含される幅」とは、「計算の対象となったマンションの3分の2という大部分が該当する範囲」という意味になりますので、平均値との比較と一緒にこの範囲に入っているかも見ておくと良いでしょう。
③売買価格に置き換えて考えること
管理費・修繕積立金は月々支払うものです。
値上げ額や物件による違いをたかが数千円と考えてしまうのも要注意です。
管理費・修繕積立金の額を、ローンの返済や売買価格に置き換えると、見えてくるものも違ってきます。
仮に35年ローンでマンションを購入するとしましょう。
2つの物件で迷っていて、管理費・修繕積立金の総額が、一方は25,000円、もう一方は30,000円、差額は5,000円とします。
その5,000円を月々のローンの返済にあてられたどうでしょうか。
月々5,000円、年間で60,000円…35年ローンだとしたら合計で210万円です。
同じ金額で売り出されている物件だとしても、月々5,000円の差がある場合…売買価格に換算すると210万円の差があるという事になります。
さらに、この差額が10,000円だとしたら、420万円にもなります。
例えば、1,000万円の物件で管理費が30,000円のケースと、1,210万円の物件で管理費が25,000円のケースを比べるとしましょう。
35年ローンで計算すると、実は支払総額はほぼ同じ。
「たかが5,000円」と思うのではなく、その分もっと高い物件が買える可能性もあるのです。
「少し高いかな」と思っても、より管理費・修繕積立金が安い場合、売買価格に換算して考えることで新たに検討できる物件なども出てくるかもしれません。
管理費・修繕積立金に限らず、月々のランニング費用は、売買価格に置き換えて考えると物件選びもしやすくなります。
まとめ|マンションの管理費・修繕積立費
今回は、マンション購入には付き物である、管理費・修繕積立金について解説いたしました。
人生の中で最も大きな買い物となる住宅の購入。
注意すべきポイントは多岐にわたります。
夢工房では、それぞれの人生設計、資金計画に合わせた住宅を柔軟にご提案させていただきます。
住宅の購入からリノベーション・リフォーム工事まで一貫してサポートさせていただく、「ワンストップリノベーション」も行っております。住宅・不動産について悩まれている方は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。
ご相談お待ちしております。