

こんにちは。夢工房広報の岩田です。
近年、SDGsの取り組みを各地で目にするようになり、自然環境への意識が日本でも高まっています。
異常気象や森林破壊、マイクロプラスチックなど、よりさまざまな環境問題が各地で問題となっています。
この現状に胸を痛め、「何か自分にも、自然のためにできることはないか」と行動を起こし始めている人が増えています。
この記事では、今の自然環境の問題点や、自然環境を守るために今日からでもできるアクションなどについて解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
深刻化する環境問題とは
自然のためにできることを考えるために、まず私たちが直面している環境問題の現状を理解することが大切です。
地球温暖化や森林破壊、プラスチックごみの増加などは世界中で深刻化しており、日本に暮らす私たちの生活や健康にも影響を与えるようになってきています。
異常気象と地球温暖化の影響
近年、世界中で猛暑や豪雨、台風の強大化などの異常気象が発生しています。
環境省の気候変動に関する報告によれば、日本の平均気温は100年あたり約1.19℃上昇しており、世界より速いペースでの気温上昇としています。
ほかにも、以下のような報告が挙げられています。
❝
・強い雨が増加している一方、降水日が減少している
・真夏日・猛暑日の日数が増加している
・多くの地域で積雪が減少する一方、内陸部 では大雪が増加する可能性も
―~日本の気候変動とその影響~環境省より
❞
このままでは、農業や食料生産、健康被害、社会活動への負担が増加し、持続可能な社会づくりが難しくなることが懸念されています。
森林破壊と生物多様性の喪失
森林は地球の「肺」とも呼ばれ、CO2の吸収や生物多様性の保全に不可欠です。
しかし、20世紀後半から徐々に森林破壊が進み、野生生物の絶滅リスクが高まっています。
森林破壊の原因には違法伐採、非伝統的な焼畑農業の増加、放牧地やレジャー施設への転用、過剰伐採、森林火災など様々です。
国連のIPBES報告では、地球上の100万種の生物が絶滅の危機に直面していると推定されています。
❝
本評価報告書 で評価した動物と植物の種群のうち平均約 25%(図 SPM.3)が絶滅の危機にある。これは推計 100 万種が 既に絶滅の危機に瀕していることを示唆している。
―生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書より
❞
プラスチックごみと海洋汚染
日本は一人あたりのプラスチック容器包装廃棄量が世界第2位(1位はアメリカ)であり、年間で約35㎏を廃棄しているといわれています。(出典:プラスチックを取り巻く国内外の状況<参考資料集>)
一般社団法人プラスチック循環利用協会によると、2023年の廃プラスチック有効利用率89%とされていますが、残りは焼却や埋め立て処分をされているのが現状です。
特に、埋め立て後など、海洋に流出したプラスチックはマイクロプラスチックとなり、生態系や私たちの食卓に悪影響を及ぼす深刻な問題として重要視されています。
再生エネルギーと持続可能な社会
環境への負荷が少なく、持続可能なエネルギーとして注目されているのが「再生エネルギー」です。
再生エネルギーは、日本では以下のものが挙げられています。
・太陽光発電
・風力発電
・バイオマス
・水力発電
・地熱発電
・太陽熱利用
・雪氷熱利用
・温度差熱利用
・地中熱利用
2021年度時点での再エネ電力比率は約20.3%で、太陽光発電においては世界第3位とされています。
しかし、初期費用が高い、設置場所の確保が難しい、リサイクルの制度が整っていないなどの課題も多く指摘されています。
特に近年では、メガソーラー設置による景観の悪化や森林伐採なども問題視されています。
もちろん、太陽光発電以外の再生エネルギーでも同様に、それぞれ多くの課題を抱えているのが現状です。
自然のためにできること|身近なアクション17選
わたしたちひとり一人が自然のために、今日からできる行動17選をご紹介します。
1.マイバッグ・マイボトルを活用する
マイバッグ・マイボトルを活用することで、レジ袋、ペットボトルなどのプラスチック使用量の削減につながります。
日用品を繰り返し使える素材に替えたり、100円ショップのプラスチック製ではなく、木製の製品を積極的に使ったりすることも自然のためにできることの一つです。
特にペットボトルは、石油由来の非再生可能資源から作られているため、限りある資源であることを覚えておきましょう。
2.なるべくペーパーレスにする
ごみを減らすために最も簡単に取り組めるのがペーパーレスです。
日本は世界でトップクラスで紙を消費しており、一人当たり、1日でA4用紙95枚分相当を使っているといわれています。
毎月の支払い書類をオンラインで完結させたりカレンダーをアプリで管理したりすることも有効ですし、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの無駄遣いにも気を付けることを心がけておきましょう。
3.食品ロスを減らす
環境省「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和5年度)の公表について」によると、令和5年度の日本の食品ロスは年間464万トンとされており、これは毎日、「おにぎり1個分」をひとりひとりが捨てているのと同じ量といわれています。
買い物では「必要な分だけ買うこと」を意識したり、外食でも頼みすぎに注意したりするほか、賞味期限の近い「訳アリ商品」の購入に協力するなども有効な手段の一つです。
4.洗剤は自然由来のものを使う
一般的に流通している食器用洗剤や洗濯洗剤は、そのほとんどが「界面活性剤」という成分を含んでいます。
汚れを落とすことに非常に優れいてるものの、自然の力では分解することができません。
そのためそのまま流れてしまうと水質汚染、生態系の破壊につながってしまうのです。
石鹸は「純せっけん」、洗剤は「植物由来界面活性剤」、掃除用洗剤はアルカリ電解水や重曹、クエン酸など自然由来のものを使用するのがおすすめです。
5.室温を適切に管理して節電する
環境省によると、エアコンの設定温度を1℃緩和するだけで、冷房時13%、暖房時10%の消費電力削減につながるとしています。
夏は28℃、冬は20℃を目安に設定するほか、サーキュレーターの併用も有効です。
また、フィルターの掃除をこまめにしたり、古いエアコンを省エネ性能の高いものに変えたりするなど、小さな工夫がCO₂削減に直結します。
6.再生可能エネルギーを選ぶ
家庭で使う電気のプランを、再生可能エネルギーの比率が高いものに切り替えるのもひとつの手です。
電力会社のウェブサイトなどで、「電源構成費」や「CO2排出量の情報」などが開示されているため、そちらのデータを参考にして選ぶのがおすすめです。
7.公共交通や自転車を使う
日本民営鉄道協によると、「旅客ひとりを1km運ぶときに排出する二酸化炭素を比べてみると、鉄道は自家用乗用車の約7分の1、航空の5分の1にすぎません」とされています。
移動手段を電車に変える人が増えることで、かなりの温室効果ガス削減につながることが考えられます。
8.地産地消の食材を選ぶ
地元の農産物を選んで買うことは、地元の農家さんを応援できるだけでなく、輸送時に発生するCO2の削減にもつながります。
特に輸入品は船、飛行機、トラックなど、輸送に多くのCO2を排出してしまいます。
輸送を最小限に抑えられる地元の野菜を選ぶことは、環境負荷の軽減に大きく貢献することができます。
9.オーガニック農産物を選ぶ
有機農業は化学肥料を使用せず、自然由来の肥料を活用するため<strong>水質汚染を防止します。
また機械の使用も少ないことから、通常の農業に比べて温室効果ガス排出を20〜30%削減できると報告されています。
オーガニック食品は、手間暇や肥料代の分コストが高いことが多いですが、自分の健康と地球環境への投資と考えてみるのもおすすめです。
10.シャワー時間を短縮、節水シャワーヘッドに変える
1分間のシャワーで流れる水の量は、なんと約12L。
5分短縮するだけで60Lの節水=浴槽1/3の水量に相当します。
さらにシャワーヘッドを節水型に変えるだけで、水圧をそのままにしながら約30~50%の水の使用を削減できるとされています。
11.住まいの省エネ改修を検討する
断熱性能の高い住まいは、エアコンなどの稼働量を減らしエネルギーの消費を抑えることができます。
最初のコストが高いのが難点ですが、長期的に見ればお得になる場合がほとんどであり、国が推進している補助金の活用も場合によっては可能です。
自分たちも快適になりながら、環境にも優しい住まいにできるエコなリノベーションを検討してみるのもおすすめです。
12.衣類を長く大切に使う・フリマアプリを活用する
2022年の環境省の調査によると、日本では年間約48.5万トンの衣類が廃棄されており、処理過程で大量の温室効果ガスを排出しています。
今持っている一着を、1年長く着ることで日本全体で約3万トンの廃棄量削減につなげることができます。
また、フリマアプリや古着ショップを活用することも有効です。
まだ着られそうな服は出品し、逆に新品にこだわらなくてもよい服はフリマアプリで購入するなどの工夫を心がけていきましょう。
13.生ごみはなるべく乾燥させる
水分を含むごみを焼却するには多くのエネルギーを必要とします。
環境省によると、ごみ全体の約4割が生ごみで、そのうち約80%が水分とされています。
生ごみはなるべく水切りをして捨てるだけでもごみの量は少し減らせますが、さらに「生ごみ乾燥機」などを使うと、ごみの量を約20%に減らすうえに、有機質肥料として利用することができます。
14.フェアトレード製品を選ぶ
フェアトレードとは、発展途上国などとの貿易において、公正に取引をすることで、人々の生活を支援する仕組みのことです。
そもそも、「不公平な取引」のもとでは生産者にとって不利な条件で働かせるため、より安い化学肥料などを使っているのが現状です。
そのため、フェアトレード製品を選ぶことで、公正な取引の支援ができるだけでなく、有機農業や環境に配慮したパッケージの促進にもつながるのです。
なお、フェアトレードで扱う品目は以下のものに定められていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
・紅茶
・コーヒー
・スパイス・ハーブ
・果物
・加工果物
・ワイン
・オイルシード・油脂果物
・食品その他
・切花
・コットン製品
・食品以外その他
15.物件購入は新築より中古+リノベを選ぶ
家を購入したいと考えている方におすすめしたいのは、新築よりも中古物件を購入してリノベーションすることです。
新築では、多くの建材を使用し、配送によるCO2コストもかかりますが、リノベーションは既存の建物を再利用するため、資源を最小限に抑えることができます。
首都圏を中心に土地や物件の価格が上昇を続ける中、中古物件をリノベーションするという選択肢も検討してみることで、コスパ良く理想の家を作ることも可能です。
夢工房では、リノベーションに適した物件探しから、設計・施工まで一貫したサービスを提供しております。
気になる方は、ぜひこちらからご覧ください。
16. 寄付やクラウドファンディングで環境団体を支援
環境保全団体への寄付やクラウドファンディング活動資金に協力することも一つの方法です。
絶滅危惧種の保全や海洋保護など、個人ではできない大規模なプロジェクトを支えることができます。
・WWTジャパン
・日本自然保護協会
・グリーンピース・ジャパン
・FoE Japan
・日本ナショナル・トラスト協会
17. 自然と触れ合う時間を持つ
東京大学の研究によると、「緑地など地域の自然環境に高頻度で行く子供は、そうでない子供に比べて高い生物多様性保全意欲を持つことが分かりました。」という結果が報告されています。
出典:日常的な自然体験は子供の生物多様性保全意識を向上させる ‐身の回りの自然環境が持つ教育的価値を科学的に検証
なお、テレビや本で自然の情報に触れることも有効とされています。
「自然離れ」が進む今だからこそ、日常的に自然体験ができる環境を整えていくことも、自然のためにできることとして重要であることをぜひ意識しておきましょう。
自然にやさしい「家づくり」
暮らしの中で環境への負担を減らす方法として、家そのものを「自然にやさしい仕様」にすることも大きなポイントです。
断熱や自然素材の活用、エネルギー効率の高い設備を導入することで、快適さを保ちながら持続可能な住まいを実現できます。
高断熱・高気密住宅でエネルギーを節約
断熱性能が高い住宅は、冷暖房に使うエネルギーを大幅に削減できます。
例えば、断熱等級6(ZEH水準)の住宅では、従来の基準住宅に比べて冷暖房エネルギーを30%以上削減可能です。
光熱費の節約と同時にCO₂排出削減につながります。
再生可能エネルギーの活用
屋根に太陽光パネルを設置することで、自宅で電気をつくり出すことができます。
家庭用の太陽光発電は、1kWあたり年間約1,000kWhを発電するとされ、4kWシステムなら年間約4,000kWh(家庭の平均電力使用量の7割程度)をまかなうことが可能です。
自然素材を取り入れる
無垢材や漆喰、珪藻土などの自然素材は、製造過程でのCO₂排出が少ないうえ、長持ちして廃棄物を減らせます。
木はCO2を吸収し固定する性質を持つため、植林を繰り返して積極的に木材を活用すること温室効果ガスの削減に貢献します。
さらにフローリングを無垢床にした場合、ビニールの床材とは異なり「研磨」することでいつまでも長く、美しく使い続けることが可能です。
家の中が再生可能な「小さな森」になるのは、環境にとっても、わたしたちの体にとってもたくさんのメリットをもたらしてくれます。
節水型設備の導入
家庭の水使用量のうち約4分の1がトイレと言われています。
最新の節水型トイレは、従来品の1回13Lから約3.8Lまで削減できるタイプも登場しており、年間で約14,000L(お風呂70杯分)の節水が可能です。
長く使える設計をする
ライフスタイルが変わっても対応できる間取りや耐久性の高い構造を取り入れることで、建替えや大規模改修の頻度を減らすことが可能です。
また、壁や天井も、劣化しやすいビニールクロスを使うよりも、珪藻土や漆喰などの塗り壁にすることで、メンテナンスしやすく、長く使い続けることができます。
これにより資源の使用や廃棄物発生を抑え、環境への負荷を軽減できます。
自然のためにできること|まとめ
自然のためにできることは、実はわたしたちの身近に多くあります。
まずは、今自然環境にどんな問題が起きているのか、それに対する取り組みとして自分の住んでいる地域ではどんな活動がされているのか、というところから知っていくことも大切です。
夢工房では、こうした環境問題に目を向け、産地にこだわった自然素材を使用した家づくりを行っています。
断熱改修や、中古物件のリノベーションなどをお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談くださいませ。