

こんにちは。広報の鈴木です。
最近、古民家をカフェにしたり、コミュニティにしたり、素敵なリノベーションを目にすることが多いですよね。「私もいつか……。」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ただ、通常の住宅のリノベーションとは違って、お店などに用途を変更する場合は、気を付けるポイントがたくさんあります。
条件によってポイントは様々なため、一概には言えないのですが、今回は、夢工房で担当させていただいた学習塾への用途変更の事例をご紹介させていただきます。
目次
学習塾へのリノベーションに必要な条件:建物の用途変更
1.建物の用途変更とは?
建物、と一口に言っても、その用途はさまざまですよね。住むための建物、飲食の場としての建物、学習の場としての建物…。
建物の用途変更とは、すでにある建物を、もとの用途から、異なる用途に変更することを指します。
用途変更において肝となってくるのが「新しい用途のルールに、いかに合わせるか」ということ。住宅には住宅の、飲食店には飲食店の、学校には学校の、それぞれ建物の用途によってルールがあるのです。
知っておきたい建物の種類:一般住宅と特殊建築物
具体的な用語にすると、一般住宅と特殊建築物があります。
一般住宅はそのまま、通常の住居のこと。一方特殊建築物とは、飲食店や学校、病院など、住む以外の用途で使われる建物を指します。
この2つだけならわかりやすいのですが、特殊建築物の中でもさらに細かいグループに分かれています。例えば、グループ①アパート(共同住宅)グループ②病院グループ③飲食店など。
特殊建築物という括りは同じでも、グループ①からグループ②に変えるのも、大変な作業なのです。
新築であれば、新しい用途のルールに合わせてゼロから作ってしまえばよいですが、リノベの場合はどうにかしてルールに当てはめなければいけません。とはいえ、元の建物に思い入れや魅力があったり、コストの問題もあったり、何よりまだまだ使える建物は大切に使っていきたいですよね。
そのため「目的やエリアのルールに合わせて、いかに適応させていくか」が重要なポイントになってくるのです。
住宅から学習塾への用途変更で苦労したこと。設計担当へインタビュー
今回ご紹介する学習塾は、設計の加藤が、新しいルールへの適応に頭を悩ませながら用途変更を行なった学習塾です。
お施主様の生徒様への想いとセンスが光る、素敵な学習塾になりました。
Q.住宅を学習塾へ変更するにあたって、大変だったことはなんですか?
A.普通の住宅を、学校の基準に合わせるのが大変でした。
Q.学習塾は学校のルールが適用されるんですね。
A.お住まいのエリアによって、ルールは異なります。今回のエリアは、学習塾は学校のルールが適用されたのですが、エリアによっては事務所のルールを適用する場合もあります。
Q.学校のルールに合わせる中で、1番苦労した点はなんですか?
A.いくつかありますが、まず避難経路の確保には悩みました。当初、配置や子どもの通り道などを踏まえてベストだと考えた経路があったのですが、規定をクリアできなかったんです。
Q.規定とはなんですか?
A.避難通路の幅や、窓のサイズ(避難に使える大きさ)などです。今回は元々状態がよいお住まいだったので、外壁や窓などには手を加えていないんです。そうすると、外壁と横の家との幅が足りずに、経路として成り立たなかったり、窓が使えなかったり…。結果的に、サイズが適合する窓が1つしかなく、そちらを避難経路として使用することになりました。
Q.大切なお子様をお預かりする場所だからこそ、しっかり守らなければいけないルールですもんね。他にも学習塾ならではの気をつける点はありましたか?
A.消防申請も必要だったので、非常ベル・ハシゴ・消火器・誘導灯などをつける点は、普通のお家のリノベとは違った点です。また、電気配線は、停電時にも作動しなければいけないため、配線を工夫する必要があり、職人さんにしっかり対応してもらいました。停電時に、誘導灯のマークが消えてしまっては意味がないですから。
事例紹介:自然素材に包まれた、のびのび勉強できる学習
集中できる空間づくりのプランポイント
・床の向きを利用して、目線を自然に黒板へ
お教室の中は、黒板に対して縦向きに、床を並べています。目線が黒板に向くためのさりげない工夫です。
・気が散らないドアの高さ
こちらのお教室は、フリースペースの横にあります。フリースペースは、自由に自習や休憩ができる場所。のびのびできる反面、授業中の子どもたちは、他の子が何しているのか気になってしまいますよね。
そこで、閉塞感はなくしつつも、集中力を保つ工夫として、室内窓を設置する高さをひと工夫しています。
・安全第一! 階段も見通しよく
階段の壁は、あえて一部を開けています。大切なお子様たちが、ぶつかって怪我をしないような工夫です。
学習塾×自然素材
ご相談時から、生徒さんへの思いを強く持たれたお施主様だったため、夢工房としても生徒さんが気持ちよく勉強できるような、落ち着いた空間になるよう、自然素材を提案させていただきました。
床は素足で気持ちのよい無垢のパイン材、壁・天井には調湿効果のある漆喰・珪藻土、そして手に触れることの多い扉にも、無垢材の製品を使用しています。自然素材は心地よさだけでなく、経年変化も楽しめるため、生徒さまとの思い出も大切にできる素材です。
▲学習塾ならでは、「合格の桜」がイメージカラーのニッチ。
その他、たくさんのこだわりポイントを、担当のリノベーションアドバイザーがご紹介しておりますのでぜひご覧ください。
【自然素材たっぷりの学習塾ルームツアー】
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エリアや用途によって、細かいルールがたくさんあるため、専門家ではない方が、最初から判断をすることは難しいと思います。
ただ今回の記事で「なんとなくこんなことがあるんだな。」「用途変更って色々条件があるんだな。」ということだけでも感じていただけましたら幸いです。
実際に用途変更をされる場合は、こちらの記事を思い出していただいて、ぜひお早めに不動産屋やリノベーション会社にご相談してみてくださいね。
夢工房でも、皆様からのご相談をお待ちしております!